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毒になる親


1.『毒になる親』とは

毒になる親」とは、ひとことで言うと子供を虐待する親のことです。「虐待」というと、一般にはその語感から、どうしても折檻など肉体的な暴力や、食事を与えずに放置するなどの拷問のようなことばかりイメージされてしまうことが多いようです。子供の虐待には「肉体的な虐待」、「精神的な虐待」、「性的な虐待」、「義務の放棄」などがあるとされていますが、よく見逃されがちなのが、子供の心に大きく傷を負わせる「精神的な虐待」です。
心の虐待は子供の人格を破壊し、健康的で正常な心の成長を阻んでしまいます。結果、成長後の人生を苦しいものにしてしまい、たくさんの不幸を作り出すことになります。

親によって心に傷を負わされた子供は、成長してからもさまざまな問題に苦しむことになります。しかしその因果関係については、当の親はもちろん、被害者である子供も気づいていないことが多いのです。そして、自分自分の心の痛み、怒りの原因が何なのか(子供時代の親の行為)を自覚しないまま、他人にその心の奥底の怒りをぶつけているのです。実際、   強度の抑うつ症、結婚生活のトラブル等でカウンセリングに通いはじめた結果、はじめて心の傷の原因が親であると気付いたケースも多いのです。

現代社会で多くの人が抱えている問題
−いつも不快感がある、いつも気分がすっきりせず感情が不安定である、すぐに腹が立つ、ヒステリーが起きるとコントロールができない、異性関係がいつもこじれる、アルコールや薬物に中毒している、自分自身の子供に問題が起きている、強い無力感におそわれることがある、心の奥底に絶望感がある、何事にもネガティブである−
といった問題も、その根源には生まれ育った家庭環境(親と年上の兄弟姉妹)がある場合が少なくないことがいまでは突き止められており、欧米では常識になっています。


親の批判はタブーの日本

ところが日本においては、「親」を批判するということになると、専門家であるはずの心理学者でさえもとたんにトーンダウンしてしまいがちです。
一般的にも、「産んでくれた、育ててくれた親になんてこと言うんだ!恩知らず!」という感覚は根強く、肉体的虐待、性的虐待はともかく、前出の精神的虐待について親の子育てを批判することは、道徳的にも間違っていることとされ、親への批判自体がタブーになっている感があります。

子どもは生まれてくるときには無垢のまま生まれてくるのであり、それが育っていく過程でおかしくなるということは、原因が周りの大人にあるのでは、と考えるのは自然なことです。
子どもが親に暴力を振るうケースも、多くの場合は「不健康なコントロールばかりする親」に子どもが反逆した姿にほかなりません。反逆というよりは、子どもは泣き叫んでいるのかもしれません。


親は、子育ての専門知識がないまま子育てを行います。

「子育てというのは決定的に重要な技術を必要とする仕事のひとつなのだが、残念なことに、ほとんどの家庭においては経験から学んだ勘を頼りに手探りで進んでいかなくてはならないのが現状だ。この分野の研究が進んだのはごく最近のことであり、私たちの親の世代までは、子育ての方法については、ほとんどの場合あまりそれが上手ではない人々、つまり彼ら自身の親から学ぶ以外になかったのである」(毒になる親』より)

だとしたら、多くの人が、本人の自覚のないままに親の毒によって心を傷つけられているはずで、多くの人がこの本を読んで、一度自分と親の関係について見つめ直してみた方がいいのではないでしょうか。

そして、今親である人、これから親になる人は、この『毒になる親』で、子育てで「こういうことはしてはいけない」ということをぜひ学んでほしいと強く思います。

もはや、「多かれ少なかれどこの家でも」という言葉では正当化できません。

もし本当に、多かれ少なかれどこの家庭の親も「毒になる親」の要素を持っているのなら、すべての親、将来親になる人がこの『毒になる親』を読んで、子育てについて、絶対にしてはいけないことを学ばなければならないのです。



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